その2.男性被害

男性サバイバーの文章を見て、ふわっと思い出したことがある。
大昔、僕が紅顔の美少年だった頃、銭湯で痴漢にあったことがある。
家に風呂はあったけど、近くの銭湯には、熱い湯、温めの湯、ラドン風呂、水風呂、サウナがありお得な感じだったので家族みんなで行っていた。
ほぼ毎日行くものだから、顔見知りも数人できる。
その中に子供好きでたまに背中流してくれるおじさんがいた。
ただ問題は、子供好きのおじさんは普通に子供好きというわけでなく、ショタの嗜好のある人で体を洗ってあげるというよりも、体に触りたいと言う欲求に従って、子供に接していたらしい。
僕が小6か中1くらいのころだったと思う。
男は僕をサウナに誘った。
サウナには他には誰もおらず、ちょっといやな予感がしたら的中した。
男はいきなり勃起した股間を見せてきた。
「暑いから大きくなっちゃった」
当時、すでに性についての知識はあったため、「あ、これはホントの変態だ」と思って、
「そういうのはやめてほしい」
と伝えてそのまま逃げた。
サウナのすぐ外には他の客がおり、追われたこともなく別に騒いだわけでもないので、この話はこれで終わり。
その後もその男とは風呂で会ったが、以降はそういうことをしてくることもなく僕に被害はないのだからと、男と会えばにこやかに会話してた。


僕が変態に「理解」があるという話をしたいわけではない。
数年後男は逮捕された。*1
連中を「理解」する必要はほとんどないと思う。
男性サバイバーの話に、学校の健康診断で同級生みんなが被害にあったが認めたがらないというのがあった。
で、僕の経験、被害に分類すれば被害なんだけど、それでも被害はないと考えるのは、同じ心理なのだろうか?とちょっと思った。
もうひとつ、もともとこの話は他の人に積極的にしたことがない。
書くと「上手く対処した自分」の自慢っぽくなるのじゃないかと。あと、これを見聞きした人から、それは被害として考えてもいいんだよとか言われると鬱陶しいな、と。
サバイバーの文章を見ながらそんなことを思い出して、自分の壮絶な上から目線というかサバイバーとの線引きに気づいてちょっとびっくりした。


だからどうという話ではなく、そう思ったというだけの話。
なかなか自由にはならんなと、自分では思っている。

*1:あとで親伝いで聞いた話によれば被害は多く知り合いの一人は、男のせいで、銭湯や大風呂の類を毛嫌いし入らなくなったらしい。自衛、自衛。酷い話だ